アメリカ軍はイラクのアルカーイダ系組織の幹部ザルカーウィーの脅威を強調し、ザルカーウィー派掃討を目的とした空爆などの過激な攻撃をスンニ派地域で繰り返した(結果として2006年6月のザルカーウィー殺害後もイラク情勢への影響はあまりなかった)。この時スンニ派の間では、攻撃による巻き添え被害の大きさからザルカーウィーを追放しようとする動きが強まった。
2007年に入り、アルカーイダの過激な活動に反発するスンニ派市民までがテロの対象とされ、塩素ガスを用いたテロによる多数の被害者をだし両者間の溝が表面化した。4月には主要なスンニ派武装勢力のひとつ「イラク・イスラム軍」が構成員30人をアルカーイダに殺害されたとして、ビン・ラーディンに対する非難声明をだした。学力向上!漢字王国
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こうした「反アルカーイダのスンニ派」と「アルカーイダ系スンニ派」の対立のなかで、アメリカ軍が反アルカーイダのスンニ派部族と協力関係を持つなど、事態は一層複雑化している。6月25日バグダッド中心部にあるマンスール・ホテルのロビーで発生した自爆テロでは、アルカーイダ系過激派との戦いに協力した6人のスンニ派部族指導者が殺害された。[37]
2007年1月10日、ジョージ・ブッシュ米大統領は「イラクの混乱の原因はすべて私にある」とテレビ演説し、陸軍5個師団・1万7500人、海兵隊2個大隊・4000人から成る、最大で米兵2万2000人のイラクへの一時増派を明らかにした。兵力増強をブッシュに進言したのはジョン・マケイン上院議員だとされる。2月にはイラク駐留米軍の司令官にデービッド・ペトレイアスが就任した。具体的には、1万数千人がバグダッドで治安維持に当たるほか、治安悪化の著しい西部の州にも7000人程度が派遣され、ゲリラ掃討に当たるというものであった。また、この戦争と占領によって、米本国の陸軍と海兵隊の人員が不足したことから、数万人規模で増員した。